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メディア対応と危機管理:企業不祥事における広報戦略

企業不祥事が発生した際、メディア対応をはじめとする危機管理広報(以下、「メディア対応」)は危機管理において極めて重要な役割を果たします。危機管理広報の失敗や不適切な対応は、企業の信頼や評判を大きく損ねる恐れがあります。

本記事では、不祥事発生時に企業が取るべきメディア対応戦略について解説します。情報収集や事実確認、広報担当者の選定、プレスリリースの作成、記者会見の開催など、一連の流れについて詳しく説明します。

企業不祥事はいつ起こるかわかりません。有事の際に適切なメディア対応を取るためには、日頃からの備えが重要です。本記事を通じて、効果的な広報戦略の在り方を学んでいただければ幸いです。

この記事の目次[非表示]

  1. 1.企業不祥事とメディア対応の重要性
    1. 1.1.企業不祥事が与える影響
    2. 1.2.迅速かつ適切なメディア対応の必要性
    3. 1.3.危機管理体制の構築
  2. 2.不祥事発生時のメディア対応戦略
    1. 2.1.情報収集と事実確認
    2. 2.2.広報担当者の選定と対応方針の決定
    3. 2.3.プレスリリースの作成と配信
    4. 2.4.記者会見の開催と対応
    5. 2.5.SNSを含むオンラインメディアへの対応
  3. 3.メディア対応における留意点
    1. 3.1.一貫性のあるメッセージの発信
    2. 3.2.ステークホルダーへの配慮
    3. 3.3.法的および倫理的配慮
  4. 4.不祥事後の信頼回復と風評対策
    1. 4.1.ステークホルダーとのコミュニケーション強化
    2. 4.2.ブランドイメージの回復
  5. 5.効果的なメディア対応のためのトレーニングと準備
    1. 5.1.広報担当者の能力開発
    2. 5.2.メディアとの関係構築
  6. 6.まとめ

企業不祥事とメディア対応の重要性

まずは、企業不祥事とメディア対応の関係性について詳しく見ていきましょう。

企業不祥事が与える影響

企業不祥事は、企業の評判や信用に深刻な打撃を与えます。不祥事が発生すると、メディアはその事実を広く報道し、社会的な関心を集めることになります。これにより企業のブランドイメージは大きく損なわれ、株価の下落や売上の減少といった直接的な経済的損失を被ることもあります。さらに、顧客からの信頼を失い、取引先との関係悪化や優秀な人材の流出など、長期的な悪影響も避けられません。

迅速かつ適切なメディア対応の必要性

不祥事発生時には、迅速かつ適切なメディア対応が求められます。企業は、事実関係を正確に把握し、責任ある態度で情報を開示する必要があります。 曖昧な説明や事実の隠蔽は、かえって信用・信頼を損なうことになりかねません。透明性を保ちつつ、再発防止策や責任者の処分などを明確に示すことで、社会からの理解を得ることができます。また、被害者への誠意ある対応や、関係者への丁寧な説明も欠かせません。

危機管理体制の構築

企業は、不祥事に備えた危機管理体制を平時から構築しておくことが重要です。危機管理マニュアルの整備や、広報担当者の育成、緊急時の連絡網の確立などが求められます。 また、シミュレーション訓練(メディアトレーニング)を通じて、有事の際の対応力を高めておくことも有効です。弁護士や危機管理広報コンサルタントなどの外部専門家との連携も視野に入れ、総合的な危機管理体制を整えることが重要といえるでしょう。

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不祥事発生時のメディア対応戦略

企業不祥事が発生した際、適切なメディア対応は危機管理の鍵となります。ここでは、不祥事発生時に企業が取るべきメディア対応戦略について解説します。

情報収集と事実確認

不祥事発生時、まず行うべきは迅速かつ正確な情報収集と事実確認です。社内外の関係者から可能な限り幅広く情報を集め、できる限り迅速に不祥事の全容を把握することが重要です。 この段階では、噂や憶測に惑わされることなく、客観的な事実のみを集めることに注力すべきです。情報の出所や信憑性を確認し、時系列に沿って整理することで、正確な事実関係を把握することにつながります。

広報担当者の選定と対応方針の決定

事実関係が明らかになったら、次は広報担当者の選定と対応方針の決定に移ります。平時からの定めをベースに、不祥事の内容や規模に応じて、適切な広報担当者を選ぶ必要があります。 対応方針を決定する際は、企業の価値観や理念に基づき、誠実かつ透明性のある対応を心がけるべきです。弁護士等の法的な観点からのアドバイスも踏まえ、一貫性のあるメッセージを発信できるよう準備します。

プレスリリースの作成と配信

対応方針が決まったら、プレスリリースの作成に取り掛かります。プレスリリースは、不祥事に関する事実関係や企業の対応を明確に伝える重要な手段です。 プレスリリースを作成する際は、5W1H(Who, What, When, Where, Why, How)を意識し、簡潔かつ正確に情報を伝えることが大切です。また、謝罪の言葉を含め、企業の姿勢を明示することも忘れないようにします。作成したプレスリリースは、適切なタイミングで配信し、メディアに情報を提供します。

記者会見の開催と対応

不祥事の内容や社会的関心の高さによっては、記者会見の開催が求められます。記者会見は、企業トップ自らが説明責任を果たす場であり、メディアからの質問に真摯に答える姿勢が問われます。 記者会見に臨む際は、想定問答集を作成し、十分な準備を行うことが重要です。会見では、事実関係を正確に伝えるとともに、再発防止策や今後の対応についても説明します。質疑応答では、誠実かつ丁寧な対応を心がけ、曖昧な回答は避けるべきです。

SNSを含むオンラインメディアへの対応

近年、ソーシャルメディアの普及により、不祥事はSNS上でも瞬時に拡散されます。企業は、SNSを含むオンラインメディアへの対応も迅速に行う必要があります。 オンライン上では、プレスリリースや記者会見の内容を速やかに発信し、正確な情報を提供することが重要です。同時に、ネット上の反応をモニタリングし、デマや誤情報には適切に対処すべきです。SNS上での個別の質問や批判に対しても、真摯に対応し、企業の姿勢を示すことが求められます。 不祥事発生時のメディア対応は、企業の信頼や評判を左右する重大な局面です。情報収集から記者会見、オンラインメディアへの対応まで、一連の対応を迅速かつ適切に行うことが、危機管理における広報戦略の要といえます。

メディア対応における留意点

企業不祥事が発生した際、適切なメディア対応は危機管理において極めて重要な役割を果たします。ここでは、メディア対応における主要な留意点について詳しく解説します。

一貫性のあるメッセージの発信

危機対応においては、組織内での情報共有と一貫したメッセージの発信が欠かせません。関係部署間で緊密に連携し、対外的な発言の統一を図る必要があります。 異なる部署から矛盾するコメントが出れば、企業の姿勢が二転三転しているように映り、信頼を失いかねません。そのような意味では、一般の従業員へのメディアからのインタビューがあった場合に、安易に対応しないよう周知しておくことも必要です。広報担当者を一本化し、全社的に統一された見解を示すことが重要です。 加えて、SNSなどの多様なチャネルにおいても、一貫性のあるメッセージを発信していくことが求められます。デマや憶測の拡散を防ぎ、正確な情報を迅速に伝える工夫が必要不可欠でしょう。

ステークホルダーへの配慮

企業不祥事はステークホルダーに多大な影響を及ぼします。メディア対応に際しては、株主、従業員、取引先、行政、消費者など、関係者への配慮を忘れてはなりません。 特に、被害者や関係者のプライバシーには細心の注意を払う必要があります。安易な実名報道や詳細な情報開示は、二次被害を招く恐れがあります。人権に配慮した慎重な対応が求められます。 また、不祥事の経緯や原因、再発防止策については、ステークホルダーに丁寧に説明していく姿勢が重要です。誠意を持って対話を重ね、理解と協力を得ていく努力が欠かせません。

法的および倫理的配慮

不祥事対応では、法令遵守と企業倫理の徹底が大前提となります。メディア対応においても、法的および倫理的な配慮が求められます。 例えば、個人情報の取り扱いや、インサイダー取引規制への抵触など、法的なリスクに十分留意する必要があります。社内の法務部門や弁護士と緊密に連携し、適切な対応を講じることが重要です。 加えて、企業の社会的責任(CSR)の観点からも、倫理的な判断が問われます。不祥事の隠蔽や責任逃れは、社会からの厳しい批判を招くことになります。言い訳と捉えられるような言動は厳に慎まなくてはなりません。誠実さと謙虚さを持ち、説明責任を果たしていく姿勢が何より大切と言えます。 適切なメディア対応は、危機管理広報の要です。正確性、透明性、一貫性を重視し、ステークホルダーへの配慮を忘れず、法令遵守と企業倫理に基づいた対応を心がけましょう。難局を乗り越え、信頼回復への道を切り拓くために、メディアとの建設的な関係構築が望まれます。

コンプライアンスについて読みたい方はこちら「コンプライアンスとは何か?企業が抑えるべき基本と重要性」

不祥事後の信頼回復と風評対策

企業不祥事が発生した後、信頼回復と風評対策は重要な課題の一つです。ここでは、その具体的な取り組みについて解説します。

ステークホルダーとのコミュニケーション強化

不祥事発生後、ステークホルダーとのコミュニケーションを強化することが欠かせません。 株主や投資家に対しては、不祥事の影響や対応策について丁寧に説明し、理解を得ることが重要です。IR活動の充実や、株主総会での十分な質疑応答などを通じて、建設的な対話を促進する必要があります。 顧客や取引先に対しては、不祥事の影響を最小限に抑え、安心感を与えることが求められます。個別のコミュニケーションを通じて、企業の信頼回復への取り組みを丁寧に伝えていくことが重要です。 また、マスメディアに対しては、適時適切な情報提供を行い、正確な報道を促すことが必要です。記者会見や取材対応を通じて、企業の立場や考えを明確に伝えることが求められます。

ブランドイメージの回復

不祥事により失墜したブランドイメージを回復することも、重要な課題です。 ブランドイメージの回復には、一貫したメッセージの発信が欠かせません。企業の理念や価値観、不祥事への反省と再発防止への決意など、訴求すべきメッセージを明確にし、様々な機会を通じて発信していく必要があります。 また、ブランドイメージの回復には、時間を要することを認識しておきましょう。一朝一夕には信頼を取り戻すことはできません。長期的な視点に立ち、地道な取り組みを継続していくことが求められます。 さらに、ブランドイメージの回復には、企業風土の改革も欠かせません。不祥事の根本原因を見極め、企業風土を変革していくことが重要です。トップのリーダーシップのもと、全社的な意識改革を進めていく必要があります。

効果的なメディア対応のためのトレーニングと準備

企業不祥事が発生した際、適切なメディア対応は極めて重要な役割を果たします。ここでは、効果的なメディア対応を実現するために必要なトレーニングと準備について詳しく説明します。

広報担当者の能力開発

広報担当者の能力開発は、メディア対応の質を左右する重要な要素です。優れたコミュニケーション能力、ストレス耐性、そして危機管理に関する深い理解が求められます。 広報担当者は、日頃からメディアとのコミュニケーションを通じて、信頼関係を構築することが重要です。また、定期的なメディアトレーニングや勉強会を通じて、危機管理に関する知識を深め、不測の事態に備えることが求められます。さらに、ストレスマネジメントのスキルを身につけ、厳しい状況下でも冷静に対応できる能力を養う必要があります。

メディアとの関係構築

平時からメディアとの良好な関係を築いておくことは、危機管理において重要です。日頃からメディアとの信頼関係を構築しておくことで、有事の際により効果的なコミュニケーションが可能になります。また、プレスリリースやニュースレターなどを通じて、企業の活動や価値観を積極的に発信し、メディアとの関係を強化することも重要です。危機発生時には、関係性を活かして、正確な情報を迅速に提供し、誤解や憶測が広がってしまうことを防ぐことにつながります。 以上のように、効果的なメディア対応のためには、広報担当者の能力開発、メディアトレーニングの実施、危機管理マニュアルの整備、そしてメディアとの関係構築が不可欠です。これらの取り組みを通じて、企業は不祥事発生時のメディア対応力を高め、危機管理能力を向上させることができるのです。

まとめ

企業不祥事が発生した際、適切なメディア対応は危機管理において極めて重要な役割を果たします。情報収集や事実確認を迅速に行い、正確かつ透明性のある情報提供に努めることが求められます。

また、広報担当者の選任や対応方針の決定、プレスリリースの作成、記者会見の開催など、一連の対応を素早く行うことが重要です。SNSを含むオンラインメディアへの対応も欠かせません。
平時からの危機管理体制の構築や、広報担当者のメディアトレーニング、メディアとの良好な関係構築も重要です。特に「危機管理広報」は通常の広報活動とは異なり、単なる広報(宣伝)活動の延長では対応できません。不測の事態に備え、メディアトレーニングを実施し、危機管理マニュアルを整備しておくことが望まれます。

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SPN 編集部
企業危機管理をトータルサポートする「株式会社エス・ピー・ネットワーク」の編集部です。危機管理に関するコンテンツを幅広くお届けしていきます。

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