反社DBと一般事件・事故の提供について[当社見解]

1 当社の方針

当社は、反社会的勢力の不当要求に対して毅然と対処しその被害を防止する目的で、反社会的勢力情報の情報を収集し他の事業者と共有することとしています。

他方で、反社会的勢力に該当しない者による犯罪及び事故に関する情報(以下「一般事件・事故情報」といいます。)は、個人情報保護法遵守の観点から、収集はもちろん他の事業者との共有を行わないこととしています。

2 上記方針を採用する理由

(1)情報共有の法的根拠

当社を含む個人情報取扱事業者は、個人情報の第三者への提供に当たり、原則として、あらかじめ本人の同意を得なければなりません(個人情報保護法27条1項)。

例外的に本人の同意を得ずに個人情報を提供することができる場面は、個人情報保護法上、「人の生命、身体又は財産の保護のために必要がある場合であって、本人の同意を得ることが困難である」場合(個人情報保護法27条1項2号)や、オプトアウトの方法による場合(※1)(同2項)、他の事業者から個人情報の取扱いの委託を受けた場合(同5項1号)などに限定されています。

※1…一定の要件(個人情報保護委員会への届出を含む)を満たすことで、あらかじめ本人の同意を得ることなく、個人情報を第三者に提供することができる制度をいいます。要配慮個人情報、不適正取得をした個人情報およびオプトアウトの手続を経て取得した個人情報についてはオプトアウトの方法による第三者提供をすることはできません。

(2)反社会的勢力の情報の提供について

法務省が平成19年6月19日に公表した「企業が反社会的勢力による被害を防止するための指針に関する解説」(※2)は、事業者が、反社会的勢力による被害防止の目的で、データベース化した反社会的勢力の情報を他の事業者と共有することを、上記(1)に挙げた「人の生命、身体又は財産の保護のために必要がある場合であって、本人の同意を得ることが困難である」場合に該当することを根拠として認めています。

当社は、このような法務省の見解に従って、反社会的勢力の不当要求に対して毅然と対処しその被害を防止する目的で、収集と他の事業者と反社会的勢力の情報を共有することとしています。

※2…https://www.moj.go.jp/keiji1/keiji_keiji42.html

(3)一般事件・事故情報の提供について

一般事件・事故情報については、上記(2)に挙げた法務省見解では特に言及されていませんので、その提供の可否は、個人情報保護法の下、個別に検討する必要があります。

しかし、「人の生命、身体又は財産の保護のために必要がある場合であって、本人の同意を得ることが困難である」に該当することを根拠とすることは、一般事件・事故情報の中には必ずしも「人の生命、身体又は財産の保護のために」他の事業者と共有する「必要がある」とはいえない情報も多く含まれているため、個人情報保護法遵守の観点から問題があると考えています。

また、オプトアウトの方法を根拠とすることは、一般事件・事故情報にはオプトアウトの方法による提供が禁止されている要配慮個人情報である逮捕情報などの情報を含む場合が多いため、同様に個人情報保護法遵守の観点から問題があると考えています。

さらに、他の事業者から個人情報の取扱いの委託を受けた場合を根拠とすることは、委託先となる当社が独自に収集した情報の提供が禁じられるため、やはり個人情報保護法遵守の観点から問題があると考えています。 以上から、当社は、個人情報保護法遵守の観点から、基本的に、一般事件・事故情報の収集と他の事業者との共有を行わないこととしています。

※SPRSの機能である新聞記事検索、インターネット風評検索、海外コンプライアンスチェックは、いずれも提携会社が提供するサービスを統合したものであり、当社による反社会的勢力に関する情報の提供とは異なる仕組みに基づき運営されているものです。